【薬剤師が解説】赤ら顔・酒さ(しゅさ)を治す方法、シナールの効果とは

酒さ・赤ら顔

トラネキサム酸、シナール顆粒、ミノサイクリン、これらはどれも、赤ら顔や酒さ(しゅさ)の治療に使用されることがある医薬品です。

しかし、どの医薬品においても酒さの特効薬というわけではないんです。というのも、酒さの原因は未だ不明であり、治療法が確立されていません。ただし、何もかもがわかっていないわけではなく、病因となっていると考えられているものはいくつかあります。

今回は、酒さのとは何かを解説しながら、国内や海外のガイドラインなどを踏まえて、酒さの治療方法について紹介していきます。

目次

そもそも酒さとは?

【薬剤師が解説】赤ら顔・酒さを治す方法、シナールの効果とは

酒さとはどのような症状なのか、解説していきます。

特徴

酒さは顔の皮膚が赤みを帯びている症状で、別名「赤ら顔」とも呼ばれています。

酒さによる顔の赤みは長期的かつ慢性的に生じるのが特徴であり「恥ずかしい思いをした」「お酒を飲んだ」といった一時的なものではありません。

症状の現れ方にはさまざまなタイプがあり、頬のあたりや鼻の周りといった局所的なタイプから顔全体的に症状が現れるタイプまであります。

また、患者さんによっては顔の赤みに伴い、ニキビや吹き出物のような症状がみられるケースもあるのが酒さです。

酒さになりやすい人

酒さになりやすい人の傾向として、中高年の方が挙げられます。

しかし、20代や30代の方であってもニキビを伴うような酒さが出現することもあるため、一概に若い方はならないとは言い切れません。

酒さの原因

【薬剤師が解説】赤ら顔・酒さを治す方法、シナールの効果とは

酒さの原因は未だ解明されておらず、はっきりとしたことはわかっていません。

しかし、いくつかの可能性として次のようなものが挙げられています。

血管反応異常、遺伝的要因、環境的要因、ヘリコバクターピロリ菌の増殖、紫外線、アルコール、ダニ、ストレス、自己免疫 など

考えられる原因からできる対処法や予防

前述の原因から考えられる対処法や予防法は以下の通りです。

  • 紫外線対策をする
  • アルコールを摂りすぎない
  • ストレスを溜めすぎない
  • こまめに掃除をする
  • 免疫力が下がらないよう栄養と睡眠をしっかりととる

遺伝が原因である場合はなかなか根本的改善は難しいですが、血管反応の異常は医療機関への受診、ストレスや紫外線などはご自身の生活習慣で対処できますので、意識していただくとよいでしょう。

酒さの治療方法

【薬剤師が解説】赤ら顔・酒さを治す方法、シナールの効果とは

国内のガイドラインと海外のガイドラインから、治療方法を紹介します。

国内のガイドライン

酒さのガイドラインではありませんが、ニキビの「尋常性痤瘡治療ガイドライン 2017」というものに、酒さの項目があります。

国内の治療法のガイドラインでは、次のようなことが書かれています。

・丘疹膿疱型酒さ:メトロニダゾールやアゼラン酸を外用してもいいがおすすめはしない
・丘疹膿疱型酒さ:ドキシサイクリン、ミノサイクリン、テトラサイクリンを内服してもいいがおすすめはしない
・紅斑毛細血管拡張型酒さ:パルス色素レーザー595nm、ヤグレーザー1,064nm、intensepulsed lightを使用してもいいがおすすめはしない
・酒さ:適切な遮光、低刺激の洗顔料・保湿剤の使用を一つの選択肢としておすすめする

ガイドラインに記載はありませんが、この他にも、シナールやトランサミンなどを使用して、肌のターンオーバーを整えるような治療が行われることもあります。

国内のガイドラインからわかるのは、使用してもいい外用薬や内服薬、レーザー治療はあるようですが、確実に効果的な治療法であるとはいえないということです。ただ、適切な遮光、低刺激のスキンケアアイテムの使用は一つの選択肢としておすすめとのことなので、スキンケアをしっかりと行うことが大切であることが伺えますね。

海外のガイドライン

次に海外のガイドラインです。

海外ガイドラインでは、イベルメクチン、アゼライン酸、メトロニダゾールなどを使用した治療方法が推奨されています。
また、フォトフェイシャルなどのレーザー治療が行われることもあるとのことです。

日本では推奨されていない治療法は、海外では推奨されているという結果になっており真反対ではありますが、問題はないことは確かでしょう。

酒さを治すには?

【薬剤師が解説】赤ら顔・酒さを治す方法、シナールの効果とは

酒さは、原因が明らかになっていないため確実な治療法はありません、だからこそ、一人ひとりに合わせたオーダーメイドな治療を行うことが重要です。

ビタミン剤が治療に使われることもありますが、人によって有効的でないこともあります。

ビタミン剤にはほとんど副作用がないため大きな問題はありませんが、抗菌薬はそうはいきません。抗菌薬を必要もないのに飲み続けてしまうと、耐性菌という強い細菌が呼び起こされ、治りにくくなるリスクがあります。

よって、酒さや赤ら顔を改善したいと考えている方は、まずは医療機関に受診し、症状を明確にして治療法を行なっていきましょう。

動画でも解説しています

私オオクボが「酒さ」をテーマに解説している動画もございます。

ご興味ある方は、ぜひこちらの動画もご覧ください。

オオクボ

編集長のオオクボです。知って得するアッと驚くような美容情報をたくさんお届けします。お仕事のご依頼は各SNSにご連絡下さい!

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この記事を書いた人

編集長のオオクボです。知って得するアッと驚くような美容情報をたくさんお届けします。お仕事のご依頼は各SNSにご連絡下さい!

この記事の監修者

オオクボタカユキ
びよう研究所所長
薬剤師・博士(薬学)
メーカーにて医薬品の適正使用に関する業務に従事した後、総合病院にて臨床薬物治療に携わる。大学院博士課程にて多数の研究論文を執筆し博士号を取得。現在は人の幸福感を上げるための美容医療の研究を行っている。
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