ワキガは病気の一種だから、自力での治療法もあるだろう。
放っておけばいつかは自然治癒するのかな?
このように考えている人もいると思います。
夏など暑い時期は特に、ワキガの症状に悩まされセルフケアをしている人は多いです。
病院に行かずともワキガは自然治癒するのか、自力で治せるのか気になりますよね。
この記事ではワキガが自力で治せるのかと、有効な治療法についてご紹介します。
気になるにおいと汗を対策して、1年を通して快適に過ごしましょう。
ワキガの症状や仕組みについて
ワキガのにおいを対策するには、まずワキガについての正しい知識を知っている必要があります。
においが発生する仕組みやどんな症状なのかを解説していきます。
ワキガの仕組み
ワキガはわきの下からにおいが発生する症状のことです。
「腋臭症」という病名でも知られており、主に親からの遺伝で受け継がれます。
そのため「ワキガ体質」と言われることもあり、両親が共にワキガだと子どもも高確率でワキガになります。
ワキガの独特のにおいは「アポクリン腺」という汗腺から分泌される汗に原因があります。
アポクリン腺は生まれつき体の一部、特にわきの下に多く分布する汗腺です。
通常汗は無臭ですが、アポクリン腺から出る汗に含まれる成分を常在菌が分解しようとすると、ワキガ臭を発します。
そのためアポクリン腺の数が多く発達している人は、においも強くなる傾向にあります。
ワキガは遺伝だけでなく、生活習慣や食生活で後天的に症状が現れるケースもあります。
ワキガと多汗症の違い
2つの症状は混同されがちですが、実は症状の仕組みが異なります。
ワキガはアポクリン腺から出た汗によってにおいが発生します。
しかし多汗症は、体に分布しているもう一つの汗腺「エクリン腺」から汗が過剰に分泌される状態のことです。
ワキガと多汗症は原因となる汗腺が違うのです。
アポクリン腺が発達している人は、汗をかかなくてもにおいを放ちます。
ですが汗をかくとエクリン腺・アポクリン腺両方から汗が出てしまいます。
結果ワキガの人はにおいを発してしまうので、多汗症の人がワキガを併発していることがあるのです。
ワキガのセルフチェック方法
自分のにおいがどの程度なのかを知るには、クリニックに行くのが一番手っ取り早いです。
しかしセルフチェック方法もあります。
- 両親もしくは親のどちらかがワキガ
- わき毛の量が多い
- 汗をよくかく
- 黄色の汗ジミができる
- わき毛に白い粉がつく
- 耳垢が湿っている
この中で当てはまるものがあれば、ワキガの可能性があります。
ワキガのにおいにはレベルがあるので、においの強さを知りたい人は以下の方法を試してみてください。
- わきにティッシュやガーゼなど、においのない薄布をはさむ
- はさんだまま、汗をかくまで運動する
- 布のにおいをかぐ
鼻を近づけてにおうなら、症状は軽いです。
近づけていないのににおうなら、中~重度のワキガです。
中度以降のワキガの人は、対策をしなければ周りの人ににおいが気づかれているかもしれません。
ワキガは自力で治せる?セルフケアの方法
残念ながら、ワキガは自力で完治させられず、自然にも治りません。
アポクリン腺の数は生まれつき決まっていて、増えも減りもしないからです。
ワキガを完治したいならば、アポクリン腺を取り除くか機能を破壊する処置を受ける必要があります。
ですがセルフケアで症状を軽くすることはできます。
- 通気性のよい服を着て熱やにおいがこもらないようにする
- 制汗剤を使用して汗の量を抑える(ワキガ臭とまざらない無香料タイプがおすすめ)
- 汗をかいたら制汗シートで拭き取る
- わき毛を剃る、脱毛する
- 日常的に発汗して老廃物を取り除く
こまめなケアでにおいを対策しましょう。
また、ワキガは生活習慣や食生活でも改善できます。
肉類・乳製品・揚げ物などカロリーの高い洋食はアポクリン腺のはたらきを活発にさせ、においが強くなります。
アルコール・ニコチンにも同じはたらきがあるので、ぜひ禁煙・禁酒を心掛けてみてください。
ストレスを感じていると、汗腺のはたらきが正常ではなくなり、においが強くなるケースもあります。
逆ににおいを抑えるには、体の抵抗力を上げるのが効果的です。
緑黄色野菜や海藻、酢を使った食品などアルカリ性の食品を積極的に摂取しましょう。
ワキガの根本治療の方法
セルフケアはあくまで汗腺のはたらきを抑えるだけなので、根本治療はできません。
ワキガ臭を根本から治療するためにはクリニックなどに行きましょう。
クリニックで受けられる治療は様々ですが、「根本治療」ができるのは以下の方法のみです。
- ミラドライ法
- ローラークランプ(吸引)法
- 煎除法(せんじょほう)
ミラドライ法はマイクロウェーブを当てて汗腺を破壊する方法で、傷跡を残さず治療できます。
ローラークランプ法は小さな穴を開けて、そこから汗腺を吸引していく方法です。
煎除法はワキガ治療の中で唯一保険適応できる治療法で、切開して汗腺を取り除いていきます。
治療を受ける際は必ずカウンセリングを受けて、自分に適した治療法を見つけましょう。
【おわりに】正しい対策をしてワキガの症状を改善しよう
ワキガを後天的に発症した人は、生活習慣や食生活を正せばにおいは抑えられます。
日常的に気を付けていれば、においが気にならなくなるまで症状が改善するかもしれません。
しかし重度のワキガの場合は自力での対策にも限界があります。
周囲の人に気づかれるほどのにおいの場合は、根本治療も考えてみてください。
正しい対策をして、ワキガの症状を改善しましょう!