2023年5月31日に、ニキビ治療薬ベピオローション(過酸化ベンゾイル)が新発売となりました。
今までのベピオゲルとの違いを解説します。
ベピオゲルが塗りにくいという方はベピオローションありかも!
YouTubeで見たい方はこちら
2023年新発売!ベピオローションとは?
ベピオローションは、ベピオゲルと同成分である「過酸化ベンゾイル」を主成分とするニキビ治療薬です。
2023年5月31日に新発売となっています。
臨床試験にてニキビに対する有効性がしっかりと証明されており、安心して使用していただけるニキビ治療薬です。
ベピオローションの有効性
ベピオの有効性は臨床試験でしっかりと証明されています。
成分が一緒なので、ベピオローションとベピオゲルの有効性はほとんど同じと考えても良いかと思います。
ただし、ゲルで上手く塗り拡げられなかったり、ゲルのベタつきで治療を中断してしまったような人の場合、ローション剤に変えると使用感が変わり、結果的にニキビができにくくなるということは考えられます。
成分(過酸化ベンゾイル)としての有効性の違いというよりは、塗り心地や使用感の違いによって効果に差が出るかもしれないというイメージです。
ベピオゲルとベピオローションの違い
ここからはベピオゲルとベピオローションの違いについて解説します。
保管方法の違い
ベピオゲルもベピオローションも「凍結を避けて25度以下で保管」です。
冷蔵庫で保管するのがおすすめです!
冷凍庫じゃないよ!
塗り方と塗り心地の違い
ベピオゲルとベピオローションは、どちらもニキビの周りに塗り拡げる薬です。
1日1回洗顔後に、ニキビとその周りなど、指示された場所に塗るようにしましょう。
場合によっては顔全体に塗り拡げていくこともあります。
顔全体に塗る量として、ベピオゲルは人差し指第一関節くらい、ベピオローションは1円玉大くらいが目安となります。
ベピオローションは非常に伸びがよく、しっとりした使用感がありますので、ほんの少しの量でかなりの広範囲に塗り拡げることができます。
用法用量を守って使用すること!
一般的な美容液とかローションが500円玉大くらいなので、ベピオローションをそれと同じように塗ると大変なことになります。
薬価の違い
ベピオゲル2.5%:93.4円/g=1401円/15g
ベピオローション2.5%:98.1円/g=1471.5円/15g
1本あたりの薬価はほとんど同じだよ
副作用発現率の違い
副作用発現頻度は49.4%(114/231例)
ベピオゲル国内第三相臨床試験より
副作用発現頻度はベピオローション群で11.9%(13/109例)
ベピオローション国内第三相臨床試験より
臨床試験の結果をみると、ベピオローションの副作用発現率のほうが低いように見えます。
しかし、直接比較したわけではありませんので、「ベピオローションの方が副作用が少ない」とするのは間違いです。
考えられることとしては…
- ベピオローションの方が塗り広げやすく結果的に副作用が少ない
- ベピオゲルの使用経験が多くなってきて「ベピオ」の使い方がわかってきた
- 医師の説明の方法が上手くなってきて副作用マネージメントができるようになってきた
のかもしれないですが、副作用発現率の数字だけを見て「ベピオローションのほうが副作用が少ないです!」っていうのは正しくありません。
ベピオの薬剤耐性菌について
「ベピオ®」は、過酸化ベンゾイルを有効成分とする尋常性ざ瘡治療剤です。過酸化ベンゾイルは、尋常性ざ瘡の原因菌であるCutibacterium acnes(アクネ菌)などの細菌に対する抗菌作用と角層剥離作用を有することから、炎症性皮疹および非炎症性皮疹(コメド)に対して効果を有します。
ベピオローションプレスリリース(マルホ)
長年にわたり国内外での臨床現場で使用されていますが、未だCutibacterium acnes耐性菌の発現報告はありません。また、既存の抗菌薬耐性菌に対しても抗菌作用を有しています。本邦のガイドラインでは、過酸化ベンゾイルのゲル剤は、軽症から中等症の炎症性皮疹やコメドおよび炎症軽快後の寛解維持に対する使用が強く推奨されています
ベピオの薬剤耐性報告はありませんので、ベピオゲルもベピオローションも安心してご使用いただくことができます。