ニキビの治療薬ナジフロキサシン(商品名:アクアチム)は、ニューキノロンと呼ばれるタイプの抗菌薬(抗生物質)です。
特に「化膿性炎症を伴うニキビ」に使用されます。
赤ニキビとか黄色ニキビだね
そんなナジフロキサシンでニキビが悪化する?なんていう情報を目にしたので、今回はナジフロキサシンの正しい使い方をご紹介します。
ナジフロキサシン(アクアチム)の正しい使用方法
画像:マルホ株式会社(ニキビ治療のポイント)
ナジフロキサシンは抗菌薬(抗生物質)です。
化膿したニキビに対して使用していく医薬品です。
上記画像でいうところの、「炎症を生じたニキビ」に対して効果を発揮するのがナジフロキサシンです。
炎症が起こっていない場所に塗るのはNGです
ナジフロキサシンは顔全体に塗布してはいけません
近年の主流となっている医薬品は、「アダパレン」や「過酸化ベンゾイル」など、「毛穴のつまりを取り除く系」の薬剤です。
このようなタイプの薬剤は、毛穴のつまりをなくすことを目的としているので、顔全体(ニキビができやすい部分)に塗り拡げていく必要があります。
一方、ナジフロキサシンは、「炎症のあるニキビだけにピンポイントに使用する」のが正しい使い方です。
アダパレンと同じように、顔全体に塗り拡げるように使用するのは正しい使い方とはいえません!
ナジフロキサシン(アクアチム)のニキビに対する効果
ナジフロキサシン(NDFX)1% クリームについて良質のレベル II の RCT が海外で 2 件報告されている.対象は軽症から中等症の痤瘡で,投与期間は8週間,12 週間であり,対象となる症例数は 37例35),474 例34),外用回数は 1 日 2 回で,皮疹数34)~36)で効果を評価している.これら 2 件の RCT では炎症性皮疹数に関して有意な減少がみられている.有害事象
尋常性痤瘡治療ガイドライン 2017
としては 3~15% の頻度で瘙痒,紅斑,乾燥,剝離,灼熱感,つっぱり感がみられたが,いずれも軽微なものであった23).
ナジフロキサシンのニキビ(挫創)に対する効果にはエビデンスがあります。
ガイドラインでグレードAの評価を受けていますので、「使用を強く推奨する」というレベルの効果です。
とはいえ、あくまでも対象は「炎症性皮疹」に対するものですので、毛穴のつまりを取り除くような薬剤ではありません。
ナジフロキサシンの薬理作用(作用機序)
ナジフロキサシンは「キューキノロン」と呼ばれるタイプの抗菌薬です。
抗菌薬という名前のとおり、菌を殺菌する作用をもっています。
細菌(アクネ菌など)のDNAに作用して、細菌の繁殖を強力に阻害して殺菌作用を発揮します。
ただし、殺菌作用があるとはいえ、全ての細菌に対して作用するわけではなく、「除菌用アルコール」みたいに、手洗い感覚で使用するのは絶対にNGです!!
「ナジフロキサシンに感性のブドウ球菌属、アクネ菌」が適応菌種です。
ナジフロキサシンとアダパレンの併用もあり
炎症性皮疹(軽症から重症)に,アダパレン 0.1%ゲルと外用抗菌薬の併用を強く推奨する.
尋常性痤瘡治療ガイドライン 2017
ナジフロキサシン(炎症と細菌を抑える系)とアダパレン(毛穴のつまりを取り除く系)の併用もガイドラインで推奨されていますので、これら2剤を使用しているという方も多いです。
クリンダマイシン(抗菌薬)+過酸化ベンゾイル(毛穴系)の配合薬(デュアック)も存在するので、デュアックの方も多いです。
ナジフロキサシン(アクアチム)の副作用
ナジフロキサシンの副作用としては、皮膚刺激感、そう痒感、発赤、潮紅、丘疹、顔面の熱感、接触皮膚炎、皮膚乾燥、ほてり感などが報告されています。
塗った場所がピリピリ(ヒリヒリ)するみたいなイメージです。
基本的にはすぐにおさまりますが、長時間ピリピリが続いたり、赤みが強くなるなどの場合には使用を控えて医師の診察を受けましょう。
別の抗菌薬を使えばいいので無理にナジフロを使う必要はありません
参考)ナジフロキサシンとアクアチムの違い
ナジフロキサシンは後発品(ジェネリック医薬品)で、アクアチムが先発医薬品です。
ナジフロキサシンとアクアチムの薬価の違い
ナジフロキサシンクリーム1%「トーワ」 | アクアチムクリーム1% |
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22.3円/g | 24.5円/g |