二重にしたい人は「拳筋法と瞼板法の特徴や違いについて知りたい!」と思ったことはありませんか?
一般的に美容整形で二重にする方法として切開法と埋没法が挙げられますが、比較的費用が抑えられて、安全性が高い埋没法のほうが主流です。
埋没法はメスを使わないという点も魅力のひとつです。また埋没法には拳筋法と瞼板法の2種類があり、これらの違いは糸を縫合する位置です。
瞼板法は、まぶたの瞼板の間に糸を通しつなげます。挙筋法は、まぶたと挙筋腱膜の間に糸を通しつなげます。
それぞれに長所と短所がありますが、体質的な個人差と要望によって、2つを使い分ける必要があります。両者の特徴をしっかりと理解せずに、施術を受けてしまうと後悔の原因となってしまうかもしれません。
そこで、本記事では両者の特徴とメリットやデメリットについて詳細にご説明します。また挙筋法と瞼板法のうちでどちらがおすすめなのかについても紹介します。
拳筋法とは
拳筋法とは、二重まぶたを形成するための施術のひとつです。まぶたの上にある筋肉に細い糸をかけることで二重をつくります。
まぶたを引き上げる際には、眼瞼挙筋(がんけんきょきん)という筋肉に糸を通し縫合します。
眼瞼挙筋とは、まぶたを開くときにつかわれる筋肉のことです。そして、拳筋とはこの眼瞼にまたがる箇所を指しています。
拳筋法のメリット
拳筋法には、大きく分けて4つのメリットがあります。
以下では、それぞれくわしくご説明します。
- 自然な仕上がり
- ダウンタイムが少ない
- 角膜や眼球を傷つけない
- 長持ちする
(1)自然な仕上がり
挙筋法の施術は、美しく自然な二重を形成できます。
挙筋法は、生まれつきの二重まぶたの人の特徴を施術によって再現しています。
天然の二重まぶたは、挙筋腱膜から筋肉組織が皮膚の中に入っている状態です。
一方、一重まぶたは、挙筋腱膜から筋肉組織がないために、皮膚の中に入りません。
挙筋法の施術では、天然の二重まぶたの状態を再現します。
(2)ダウンタイムが少ない
挙筋法の施術は、麻酔を使用して除痛を行いますので、施術中の痛みはありません。
術後の経過では、腫れたり痛みが出てしまう場合がありますが、他の手術と比べるとダウンタイムの症状は軽度です。ダウンタイムは、個人差はあるものの2〜3日程度で引いていきます。
したがって、挙筋法による施術は、他の手術とくらべてダウンタイムがかなり軽度であると言えます。
(3)角膜や眼球を傷つけない
瞼板法の場合、糸が外に出てしまうトラブルが発生することがあります。
挙筋法では、そのような心配はほとんどありません。そのため、目がゴロゴロするような心配もほとんどありません。
また、まばたきをすることによって角膜と擦れることで傷がつくこともありません。
このように、眼球や角膜を傷つける心配がない点は、挙筋法のメリットだと言えます。
(4)長持ちする
挙筋法の施術の場合、細い糸で挙筋腱膜とまぶたを縫合します。
挙筋法によって形成した二重まぶたの糸は取れにくいという特徴があります。
この持続力の高さは挙筋法のメリットだと言えます。
拳筋法のデメリット
挙筋法のデメリットは大きく分けて3つあります。
以下ではそれぞれ詳しくご説明します。
- 医師選びが難しい
- ダウンタイムがある
- 手術の痛みがある
(1)医師選びが難しい
挙筋法は医師にとって、高い技術が要求される施術内容です。それは挙筋法の施術自体のむずかしさに理由があります。
というのも、挙筋法の施術内容は、挙筋腱膜とまぶたを縫合するものです。挙筋腱膜とまぶたの間には距離があって、新人の医師にとっては難易度が高いものとなります。
また、瞼板法の施術時間は10分であるのに対して挙筋法はその倍の20分かかります。
そのため、新人医師や技術に自信がない医師は挙筋法を敬遠します。
(2)ダウンタイムがある
挙筋法に限らず、ほとんどの施術でダウンタイムは発生しますが、挙筋法の術後、数日間は、泣いた後のような腫れが出る場合があります。
このダウンタイムは、個人差があるものの2〜3日間持続します。
(3)手術の痛み
挙筋法の痛みは大きく分けて2つあります。
術中の痛みと術後の痛みです。
術中の痛み
術中の痛みに関してです。もちろん麻酔による除痛は行うのですが、針によるチクッとした痛みは避けられません。
しかし、極小の針を用いていたり、麻酔の温度を体温に近い温度で保管したりと工夫することによって極限まで痛みは抑えられます。
また、針の麻酔をする前に目薬による麻酔をさすなど、さまざまな対策がされています。
術後の痛み
施術直後から糸で引っ張られるような違和感があります。麻酔が効いているため、痛みはありません。
しかし、麻酔が切れてくるとものもらい程度の痛みが徐々に表れます。
術後の痛みに関しても、鎮痛剤が処方されるためそれを定期的に服用することで痛みは軽減されます。
一般的には、2〜3日で徐々に痛みは引いていきます。そして、7日ほど経つとほとんど痛みを感じることはなくなります。
(4)眼瞼下垂のリスク
挙筋法の施術によって、眼瞼下垂を引き起こす可能性があります。
眼瞼下垂とは、まぶたが下がって視界が狭くなり、ものが見えにくくなる状態のことを指します。主な原因は、上まぶたを上げる筋肉の力が衰えることによって発生します。
また、極めて稀なケースですが、眼瞼痙攣が出てしまう可能性もあります。
そのため、目が開きづらい方やまぶたが重たくなりやすい人には、この施術は向きません。
拳筋法の費用の相場
挙筋法にかかる費用の相場は、2点留めの場合7〜20万円で3点留めの場合は、10〜30万円です。
「点」とは糸の留めの数を表しています。
この留め点が多いほうが安定性が増しますがその分だけ費用がかかってしまうので、ご予算と相談が必要です。
挙筋法の施術の流れ
挙筋法の施術の流れについてご説明します。
実際の施術の流れは以下のとおりです。
- カウンセリング
- シュミレーション
- デザイン
- 施術
- 施術後
(1)カウンセリング
問診を実施します。問診内容は、過去の手術歴や目の疾患の有無についてです。
お客様に理想の二重まぶたについてヒアリングを重ねながらカウンセリングを行います。
お客様のできる限り理想に近づけるためのセッティングですので、詳細で綿密な打ち合わせがされます。
(2)シュミレーション
ブジーという針金を当てることで擬似的に二重まぶたを再現できます。
これは術後の状態に限りなく近いものになりますので、シュミレーションを実施しながら、希望の二重まぶたについてお聞きします。
(3)デザイン
カウンセリングとシミュレーションによって決定した理想のまぶたのラインに沿って油性のマジックを用いて、デザインを決定します。
(4)施術
極小の針で麻酔をかけてしっかりと効かせて除痛を行います。
デザイン時点で決定した理想のまぶたのラインに針と糸を通して2〜3点留めをします。
(5)施術後
まぶたを冷却して、術後の経過でトラブルが発生しないように抗生剤点眼薬と抗生剤軟膏で処置します。
施術から2〜3日かけて、痛みが引いていきます。それまではアルコールや喫煙、スポーツなどは腫れや出血の原因となるためお控えください。
拳筋法がおすすめの人はどんな人?
挙筋法がおすすめな人は、腫れや痛みを抑えたい人や二重の皮膚の食い込みが自然な仕上がりをご希望の方です。
ただし、眼瞼下垂などのリスクも考慮した上でお客様の希望に最も近いものを選択しましょう。
以下は、眼瞼法と挙筋法を比較した表です。
眼瞼法 | 挙筋法 | |
固定力 | 強い | やや強い |
対応幅 | 狭い | 広い |
食い込み | 強い | 自然 |
持続力 | 高い | 高い |
リスク | 角膜が傷つく | 下垂眼瞼 |
糸の持続期間を少しでも延ばすために心がけること
挙筋法で縫合した糸の耐用年数は、平均して2〜3年です。
しかし、糸の持続力は日常生活の過ごし方など個人差があります。
中には10年以上も持続している人もいますし、1年と経たずに切れてしまう人もいます。
そのため、少しでも糸の持続期間をのばすためにできることについて紹介します。
(1)糸が切れないように負荷をかけない
基本的に、挙筋法の施術で用いる糸は特殊な糸であるため、少しのことでは切れてしまうことはありません。
しかし、日常生活の中で糸が切れないような心がけは必要になります。
生活の中でかかる負荷が蓄積されていくと切れてしまうことはあります。
(2)かゆくてもまぶたはこすらない
挙筋法で留めた糸は、かゆくても手で強くこすってしまうととれてしまう可能性があります。
そのため、かゆい時は目薬をさすなどの対応をしてできるだけ目をこする習慣をなくすことが不可欠です。
(3)もし糸が取れてしまったときは・・
糸が取れてしまった場合、糸が取れた期間を確認することが必要です。
5年以上経って取れてしまった場合は糸の経年劣化によるものであると判斷できるので、再施術をしても同程度の強度が見込める場合があります。
まとめ
この記事では、二重まぶたの埋没法の手技である拳筋法と瞼板法との違いを詳しく紹介しました。
それぞれメリット・デメリットは異なりますので、どちらが自分に適しているのか、美容クリニックでカウンセリングを受けましょう。
また施術後の日常生活によって、糸の持続期間が大きく変わります。カウンセリングの際に注意点をよく聞き、糸が長く保てるような生活を送りましょう。
埋没法に興味がある方は、こちらの記事も参考にしてくださいね。