わき汗や汗のにおいが気になる時、どうしていますか?
手軽にケアできる汗拭きシートをついつい使ってしまいますよね。
しかし、ワキガには汗拭きシートが逆効果になることがあるのはご存知ですか?
ワキガに汗拭きシートは逆効果?
効かないって本当?
このような噂の真相を調査しました。
ワキガでも汗拭きシートを効果的に使用する方法があります。
正しい汗拭きシートの使い方も紹介していますので、ぜひ参考にしてください!
汗とにおいをしっかり対策して、不快感を軽減しましょう!
ワキガのメカニズム
男性・女性・子ども関係なく発症するワキガ。
わきに汗をかくと不快なにおいが出る症状をワキガと言います。
このワキガは「アポクリン汗腺」から分泌される汗によって発生します。
特にワキガは男性に多いといわれていますが、これは、アポクリン汗腺の数とわき毛の量に関係があるからです。
また、重症のワキガの人ほどわき毛の量も多いことが分かっています。
日本人の10人に1人が、症状の差はあれどワキガを発症するといわれています。
汗をかく理由
人間が汗をかくのは、体温調節のためです。体温を一定に保つことで、体は正常に機能します。
運動や入浴以外にも、寝ている時や座っているときでも人間は汗をかいています。
汗をかくことにより、表面の温度が下がり、体を冷やす役割をしているのです。
通常、汗はにおわない
汗腺にはアポクリン汗腺ともう1つ「エクリン汗腺」があります。エクリン汗腺から出る汗はにおわないのが特徴です。
アポクリン汗腺はわきや陰部など特定の場所に存在します。アポクリン汗腺は、脂質・タンパク質・アンモニアなどが主成分です。
一方、エクリン汗腺は体全体にあり、水分と塩分が主成分となります。
つまり、ワキガの人は、アポクリン汗腺の数が多いのが特徴です。
そして、本来は無臭であるはずの汗ですが、常在菌が分解される際に汗の成分が反応をおこし、ワキガ特有の臭いを発します。
そのため、本来臭わないはずの汗が臭ってしまいます。
通常の汗臭さと違い「鼻につんとくるにおい」「硫黄のようなにおい」と評されるワキガの臭い。
ワキガを疑い始めたら、周囲にどう思われているか途端に不安になりますよね。
独特なこの臭いを対策するために、よく制汗剤や消臭剤が使われています。
特に汗拭きシートは、軽くて小さいので持ち運びやすく、多くの人が利用しています。
ワキガのセルフチェック
自分がワキガかどうかは簡単にチェックできます。
- 両親がワキガ(両親共になら確率はより高い)
- 耳垢が湿っている
- 生活習慣が乱れている、高カロリーな食品が好き
- 周りの人からわきのにおいを指摘される
- 衣服のわきの部分が黄ばんでくる
- 体毛が濃い(特にわきや陰部)
上記に当てはまり、わきのにおいが気になる方はワキガの可能性があります。
このほかにも、ガーゼを使用したセルフチェック法「ガーゼテスト」もあります。チェックの仕方はとても簡単で15分間ガーゼをわきに挟むだけです。その後、ガーゼの匂いを直接嗅いで、臭いのグレードを確認します。
- グレード0 判定時にまったく臭わない
- グレード1 注意深くしっかりと嗅げば臭いがする
- グレード2 鼻先に近づけると臭いがわかる
- グレード3 鼻先から離れていても臭いがする
- グレード4 鼻に近づけなくても臭いがわかる
グレードの3以上が治療を推奨しているワキガの度合いです。
ワキガは症状を抑えられても自分で完治させられません。
ワキガに汗拭きシートは逆効果?
病院やクリニックに行く時間ない、行くのが恥ずかしいと感じ、身近で入手できる汗拭きシートを使用している方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし結論からお伝えすると、汗拭きシートは使い方を間違えるとかえって逆効果です。
ワキガの汗はベタベタしています。
そのため、拭き取ろうと何度も拭いたり強くこすったりしてしまいがち。
しかし、この行為がわきの臭いを更に悪化させてしまう原因なんです。
汗拭きシートは、効果を強めるためにアルコールが配合されているものもあります。
アルコールには確かに殺菌効果があります。しかし、必要以上に肌の水分・油分を拭き取ってしまうことも事実。
そうすると余分に汗や皮脂を分泌させてしまい「拭き取ったばかりなのににおいが強い!」といった事態になってしまいます。
強い消臭・殺菌効果を期待して過剰に拭くのは逆効果です。
汗拭きシートは優しく、汗をおさえるイメージでゴシゴシこすらずに使用しましょう。
また、汗は体の体温を下げるために分泌されます。
短い時間で何回も汗を拭き取ると、体温が下がらず更に汗が出てしまうので注意しましょう。
わきは皮膚が薄い、とても繊細な部分。
肌に優しい成分の汗拭きシートを選んで、過剰に拭き取らず肌をいたわりましょう!
汗拭きシートを使ったワキガの効果的な対策法
汗拭きシートでワキガが悪化する理由について紹介しました。
では、ワキガを賢く対策するにはどのように汗拭きシートを使用すればいいのでしょうか。
ワキガに効果的な対策の仕方と、汗拭きシートの選び方について見ていきましょう。
他のアイテムを併用する
汗拭きシートは、かいた汗を雑菌と一緒に拭き取ってにおいをおさえる効果があります。
爽快感を感じさせ汗を出にくくするメンソールが配合されている商品や、パウダー配合の商品など、さまざまな汗拭きシートが販売されています。
しかし汗拭きシートの一番大切な効果は「汗を拭き取ること」。
消臭や制汗の効果をもっと得たいなら、他のアイテムも使うのがおすすめです。
ここで大事なのは、必ず汗をシートで拭き取ってから他のアイテムを使うこと。
汗をかいたままデオドラントスプレーなどを使用してしまうと、汗と混じって逆効果になります。
汗拭きシートと他のアイテムを併用する際のおすすめの組み合わせを以下に記載しています。
①ワキガクリーム×汗拭きシート
→ワキガクリームで先ににおい・汗の対策をしておき、汗をかいたらシートで拭き取る。
②汗拭きシート×ワキガスプレー
→汗拭きシートで拭き取ってから、制汗剤を散布して汗をおさえる。
他のアイテムと併用することで、ぐっとワキガ対策に効果的になります。
自分に合った汗拭きシートを使う
汗拭きシートもたくさんのメーカーや種類があります
そのため、どれを選べばいいか迷ってしまいますよね。
敏感肌で肌に負担がかからない汗拭きシートがいい方は「無添加」「アルコールフリー」の商品がおすすめです。
汗拭きシートには、殺菌作用のあるエタノール(アルコールの一種)を含む商品があります。
アルコールは肌荒れの原因になることがあるので、心配な方はアルコールフリーの商品を選びましょう。
パラペンや合成香料などが入っていない無添加商品も、肌に優しいです。
また、植物由来の成分や保湿成分が含まれている商品はスキンケアもできます。
敏感肌さんはチェックしてみてください。
汗をかきやすい方なら、汗を吸着してわきをさらさらに保ってくれるパウダー入りシートがいいですね。
制汗剤独特の強い香りが嫌な方は、無香料のタイプも販売されているのでこちらを選びましょう。
この他にも、メンズ用やレディース用もあります。
自分の体質に合った汗拭きシートを選ぶことで更に効果が期待できます。
汗拭きシートを購入する際は、ぜひ成分も確認してみてください。
ワキガが気になる場合はクリニックへ
自分で完治させることができないワキガで悩んでいる方は、クリニックを受診することをおすすめします。
形成外科か皮膚科が診療科目です。また、美容クリニックでもワキガ治療に対応している場合があります。
ワキガの治療法は4種類あり、ボトックス治療・手術・ミラドライ・薬の処方です。下記で詳しく治療法を紹介します。
ボトックス治療
ボトックス治療は軽度のワキガに適しています。ボツリヌストキシン製剤を原因となる部分に注射することから、ボツリヌス菌注射とも呼ばれています。
施術時間は10分程度と短く、4ヶ月~6ヶ月効果が持続します。傷跡やダウンタイムもないのが特徴です。
しかし、永久的な効果はなく、即効性にも欠けるのが欠点です。相場は30,000円~となります。
手術
患部を切開して、アポクリン線を取り除く手術となります。重度のワキガのほか、多汗症にも対応しています。
手術時間は2時間から3時間で、効果は半永久的です。費用は保険適用で20,000円~70,000円が相場となり、保険適用外では60,000円~200,000円と高額です。
また、ダウンタイムや傷跡が残るのがデメリットとなります。
保険適用の手術名は「切除法」と「せんじょう法」です。せんじょう法は「皮弁法」とも呼ばれます。保険が適用されない自由診療には、「皮下組織そうは法」「皮下組織削除法」「吸引法」「超音波法」などクリニックによっても様々です。
ミラドライ
半永久的に効果のあるミラドライは、マイクロ波を照射し、汗腺を破壊します。ミラドライは汗腺にピンポイントで熱を加えます。痛みが強そうなイメージですが、治療は麻酔を使用しているので強い痛みを感じることはあまりありません。
中度~重度の方向けのワキガ治療で、施術時間は1時間程度です。費用は200,000円~400,000円とかなり高額となります。
薬の処方
医療機関を受診すると、市販で入手できる薬よりも効果が期待できる塗り薬(外用薬)や内服薬を処方してもらえます。
脇汗を防ぐために開発された塗り薬で、2020年から保険適用となったソフピロニウム臭化物や、汗官(汗が発生する場所)を防いで発汗量を減少させる塩化アルミニウム外用薬があります。
抗不安薬・抗コリン剤が内服薬として処方される場合もあります。この2つは交感神経による乱れを抑え、発汗を落ち着かせる効果が期待できます。
おすすめクリニック
共立美容外科 独自開発で特許を取得している超音波+ローラークランプ法やミラドライ、ボトックス注射をおこなっています。傷跡が残る切開法はおこなっていません。超音波+ローラークランプ法はわきの下に2mm~4mmのとても小さな穴をあけます。そこから吸引棒を差し込み、アポクリン汗線やエクリン汗腺を吸引する方法です。保険適用外で308,000円となりますが、定期的に通う必要がありません。経験を積んだ医師が手術を担当し、治療をおこないます。また、共立美容外科はミラドライ認定医師が在籍しており、ミラドライ公認クリニックです。紹介状不要でセカンドオピニオンも受け付けており、再治療も積極的に受け付けています。
【おわりに】汗拭きシートを正しく使用してワキガ対策をしよう
ワキガは汗拭きシートを正しく使用すれば、症状をおさえることができます。
汗拭きシートだけで効果が足りないのなら、消臭スプレーや制汗スティックなどの他のアイテムと併用してみましょう。汗拭きシートはあくまでも「汗をふきとる」ことが目的です。
肌に負担をかけると、更にワキガのにおいが強まってしまうので注意してください。
正しく汗拭きシートを使用して、賢いワキガ対策をしましょう!
どうしても気になる場合や、ワキガでお悩みの方は、病院やクリニックへの受診も視野に入れてみてはいかかでしょうか。治療をする際は医師と相談の上、自分に適した治療法を選択してください。