病院でもらえるニキビの薬をタイプ別にまとめます!
自分が使っている薬がどのタイプなのかをしっかりと把握しましょう。
【注意】おすすめな薬は処方された薬です
最も重要なこととして、「おすすめの薬は処方された薬」だということをご理解下さい。
医療用医薬品というのは、一般的なプロダクトとは異なり、「おすすめランキング」なんていうものは作れません。
エビデンスに則って、推奨グレードは定められていますが、それ以上でもいかでもありません。
「これが一番おすすめです」なんていうランキングを作ること自体がナンセンスです。
そのため、現在のあなたにとって最もおすすめな薬は、「信頼できる専門医が処方した薬」というのが結論です。
医療用医薬品の3つのタイプ
病院でもらえるニキビの薬には大きく分けて3つのタイプがあります。
このタイプを理解しておくことで、自分の症状にあった薬を正しく選択できるようになります。
- 毛穴のつまりを取り除くタイプ
- 殺菌的に作用するタイプ
- それ以外
ちょっと雑な分類だけど
こうやって分けるとわかりやすいよ
毛穴のつまりを取り除くタイプ
毛穴のつまりを取り除くことがニキビを根本的に治療する方法です。
毛穴に皮脂が詰まって、そこに細菌(アクネ菌など)が繁殖することでニキビが大きくなっていきます。
その過程の一番最初をブロックすることができるのがこのタイプの薬です。
毛穴のつまりを取り除く塗り薬一覧
- 過酸化ベンゾイル(ベピオ)
- アダパレン(ディフェリン)
- アダパレン+過酸化ベンゾイル(エピデュオ)
抗菌薬のように「今赤く腫れ上がったニキビ」に対して鎮静させるというような効果をメインにしているわけではないので、状態によって適切な抗菌薬を併用していきます。
過酸化ベンゾイル(ベピオ)には殺菌作用もあります。
ケミカルピーリングもこのタイプの治療だよ
抗菌薬(殺菌的に作用するタイプ)
- クリンダマイシン(ダラシン)
- ナジフロキサシン(アクアチム)
- オゼノキサシン(ゼビアックス)
炎症を生じているニキビ(赤ニキビや黄色ニキビ)に効果的なのが抗菌薬です。
アクネ菌などの細菌に対して殺菌的に働く薬です。
塗り薬と飲み薬があります。
塗り薬による治療が基本ですが、症状によっては内服抗菌薬で治療するケースもあります。
内服抗菌薬
その他のタイプ(漢方薬やビタミン)
ニキビ治療は上記2つのタイプが基本になります。
この2つのタイプの治療にプラスして、漢方薬やビタミンなどが使用されることがあります。
漢方薬やビタミンは、体の内側から体質改善をしていこうというイメージの薬になりますので、すぐに効果が出るというものではありません。
しかし、徐々に徐々に効果が現れてくることもあるので、処方された場合には用法用量を守って使用しましょう。
飲んでないよりはいいかも…っていう程度のこともあるよ
ビタミンを大量に持って帰りたがる方へ
痤瘡治療の補助的内服療法としてビタミン A,ビタミン B2,ビタミン B6,ビタミン E が用いられる.そ
の作用機序として,ビタミン A は毛包表皮の角化を,ビタミン B2 とビタミン B6 は皮脂分泌を,ビタミン Eは過酸化脂質を抑制することが考えられている.しかし,各々のビタミン薬内服の痤瘡に対する有効性を確立するための臨床試験は行われておらず,ビタミン薬
内服を推奨する十分な根拠はない.以上より,痤瘡にビタミン薬内服を行ってもよいが,推奨はしない.
尋常性痤瘡治療ガイドライン 2017
現場で働いていると、大量にビタミンの処方を希望される方もいますが、ニキビ治療に必要なのはビタミンではなく、上記2つタイプの薬剤です。(場合によっては漢方もアリです)
ビタミンが全てを解決してくれるわけではなく、ビタミンだけでどうにかなると思っている皮膚科医は少ないと思います。
つまり、ビタミン下さい!っていうのはあまりおすすめできません。
処方された場合にはしっかり飲みましょう
ニキビに用いられる各薬剤の詳細
過酸化ベンゾイル(ベピオ)
薬効: 過酸化ベンゾイルは、アクネの原因となるプロピオニバクテリウム・アクネスの増殖を抑制し、皮脂の分泌を減少させる作用があります。
薬理作用: 過酸化ベンゾイルは皮膚に浸透し、活性酸素を放出することで、アクネの原因となるバクテリアを殺菌します。また、角質の増加を抑制することで、毛穴の詰まりを予防します。
アダパレン(ディフェリン)
薬効: アダパレンは、レチノイド関連薬として、アクネの治療に用いられるものです。これは、毛穴の詰まり(コメド)の形成を予防する効果があります。
薬理作用: アダパレンは、細胞内のレチノイド受容体に結合することで、皮膚細胞の分化と増殖を正常化し、角質の過剰な堆積を防ぎます。
アダパレン+過酸化ベンゾイル(エピデュオ)
薬効: この組み合わせは、アクネの2つの主要な原因、すなわち、毛穴の詰まりと炎症をターゲットとしています。
薬理作用: アダパレンの作用は上記のとおりで、過酸化ベンゾイルはアクネの原因となるバクテリアを殺菌するとともに、皮脂の分泌を減少させる効果があります。この2つの薬の組み合わせは、アクネ治療の効果を高めることが期待されています。
クリンダマイシン(ダラシン)
薬効: クリンダマイシンは、広範囲の抗生物質であり、特にアクネの治療に効果的です。
薬理作用: この抗生物質は、アクネの原因となるバクテリアの増殖を抑制することで、皮膚の炎症を減少させます。
ナジフロキサシン(アクアチム)
薬効: ナジフロキサシンはキノロン系の抗生物質で、広範囲の細菌に対して効果があります。
薬理作用: DNAジャイレース酵素を阻害することで、細菌のDNA複製を妨げ、細菌の増殖を停止させます。
オゼノキサシン(ゼビアックス)
薬効: オゼノキサシンもキノロン系の抗生物質であり、様々な感染症の治療に用いられます。
薬理作用: オゼノキサシンは、細菌のDNAジャイレース酵素を阻害し、DNAの複製を妨げて細菌の増殖を抑制します。