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大野ケイスケ 音楽と土地 奥田民生 かたりカンタビレ 奥田民生の旅

■インタビュー/文:大野ケイスケ ■製作:Astrograph 掲載日:2010.8.27 更新日:2010.10.14

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「奥田民生ひとりカンタビレ」という名のツアーが5月で無事終了した。渋谷からスタートして金沢でフィナーレを迎えた全国10カ所。民生さんはレコーディングライブという、世界的にも類を見ないスタイルのライブで各地をまわった。「ひとりカンタビレ」とは何か…特設ホームページにはこう書かれていた。

奥田民生「奥田民生の宅録を垣間見れる濃厚な3時間。通常のコンサートとは異なり、奥田民生が全ての楽器を演奏し、各会場で新曲の制作を行うプレミアム・レコーディングライブ。当日できた楽曲は準備でき次第、配信限定リリース。※通常のコンサートとは異なり、当日レコーディングする楽曲以外は演奏いたしません。」

こんなライブは前代未聞である。いや、そもそもライブかどうかもわからない。単なる「レコーディング」だったかもしれない。だけど、唯一無二の奥田民生オリジナルの表現方法であったことは確かで、世界的にみても凄いことを成し遂げてしまったのではないか。そして観客を前にレコーディングされた曲は「OTRL」という一枚のアルバムとなった。

いったいそこにはどんな思いがつまっているのか。全公演とはいかなかったが、出来る限りその現場を目撃しにいった僕は、「ひとりカンタビレ」に驚き、戸惑い、多くの発見を得た。そして書かなくちゃいけないと思った。贅沢をいえば、あらためて民生さんに「ひとりカンタビレ」を語ってもらいたいと思っていた。
だって本当に凄いことをやってしまったから。

奥田民生このミュージックシェルフでのインタビューはもちろん、テレビ番組の企画書も出した。そんななか、リリースタイミングの忙しいスケジュールにもかかわらず、インタビューが実現した。そして関係者の皆さんのありがたいご理解とご協力のもと、ネットとテレビを両立することに成功。僕が聞き手となってインタビューはそのまま番組になり、その内容のほんの一部をここシェルフで先行公開。題して「かたりカンタビレ」。

--レコーディングを見られるのは全然気にしないものなんですか?

 いや、できれば見られてないほうがいいすけど(笑)。
ただ、普段やってることがこうだというのを見てもらわないとわからないんで。
いつもまじめな顔してレコーディングしてないんでね、タイプ的には。そのへんは見てもらわないと。今回はレコーディングっていうのはどういうもんかっていうことを知ってもらおうと。

奥田民生--最後の歌入れ、座って歌うんだという驚きがあったんですが…客席からもどよめきが…。

 立っても座ってもどっちでもいいんです(笑)。
家で多重録音とかしてるとき、わざわざ立たないですよね、歌うからって。
全部流れでやってるわけだし。
ま、座ってやるのが慣れてきたっていうか。
昔は歌入れの時は立ってやってたような気がするけど、
最近は本番でも座ってる。座った声と立った声がちがうんでね。
ま、曲に応じて。座ったほうが低音があるっていうか。
でも、イチバンの理由はめんどくさいから(笑)。

「ひとりカンタビレ」パルコ劇場での反省…

パルコはね、ドラムがすごいうまくいったんですよ。
よかったんじゃないの?って。
それでベースを弾き、そしたらトラブったんですよ。
パソコンの画面から録ったはずのドラムとベースが消えてね。
それで軽いパニックになって。
後から聴くとね、その後のギターがへたなんですよ。
動揺してるんですよ(笑)。
俺もまだまだだなと(笑)。

「ひとりカンタビレ」は着席退席自由、飲食自由…

今回は、開演時間になったら客がいようがいまいがはじめようと(笑)。
別にいいんです、最初から見てなくても(笑)。
長いからね、飲み食いしながらじゃないと。
他にやることないしね(笑)
内容が内容だけにね、まじめに見てるのもつらいだろうと(笑)。

「ひとりカンタビレ」はおつまみが出る。各地の名産品。

各地のイベンターさんにお願いしたんですけど、
思えばね、地元のやつが地元のもの食って、
どうすんだと(笑)。
知ってるわいと。仙台の人、牛タン飽きてるのに、
なおかつ出されてるという(笑)。

「ひとりカンタビレ」奥田民生、宅録の歴史。

中学校のときから
ラジカセ二台でギターを入れてダビングして
ダビングしてっていうのをやってたんです。
高校のときに、カセットテープに
4チャンネルとれるっていう機材があってね、
それをいじってましたね。
ビートルズとかクイーンとかに憧れてね、
本とかで見て学んで、
わりと趣味でずっとやってたんです。

「ひとりカンタビレ」奥田民生の音程。

音程はぜんぜん自信がないですもん。
脳とずれてる。

「ひとりカンタビレのテーマ」ツアー真ん中の渋谷で発表。

なんでテーマになっちゃったかというと…
たいした理由がないんですけどね…
たまたまね。言葉を入れてくうちに、
それでいいやって。そのムードになっちゃってね。
テーマを作ろうっていう気はないです。

曲のタイトルって大事だと思うんですけど。
すごい適当に今までつけてきてますからね。
イージュー★ライダーなんて、他のタイトルだったら
もっと売れてるはずです。だって意味がわからない。
もっと売れるタイトルはあったはずですからね。
ロビンソン的な。あったはずです。
イージュー★ライダーはないだろうって
今でも実は思ってる(笑)。

「ひとりカンタビレ」札幌の「かたちごっこ」

札幌の曲はね、歌詞以外は結構前からあった曲だったんです。
そんなに残してる曲って、僕はあまりないんですけど、
なんか出るタイミングを逸したというか。
要するに必要とされていなかったんです。
ぼんやりとペニーレーンに合ってる気がして、
やってみようかなと。

--レコーディングの時に、独り言多いですよね…実は。
「俺は知ってるよ、この曲、いいってこと!」とか(笑)。

 それはあれですよ、不安そうな空気が流れた時に言ったんですよ(笑)。
普段は言ってない。

--歌入れの時、繰り返すたびに「もう一回お願いします」って言いますよね。

 それは言うんです(笑)。
一人きりの時は言ってない…でも言ってるかもしれない…
くせです。誰に言ってるでもないもんね。お願いしなくてもいいんだし、
わりとベテランだし(笑)。くせですね。

このインタビューの続きは・・・

奥田民生かたりカンタビレ ~「ひとりカンタビレ」全10公演、セルフライナーノーツ~

奥田民生のヒミツを垣間見られた濃厚な全10公演。

そんな世界でも唯一無二、誰もやったことのないツアーを奥田民生本人がひとつひとつ、一曲一曲振り返る。それが「かたりカンタビレ」。
各地で撮影された映像をもとにかたる、セルフライナーノーツ。
果たして、たったひとりでつくりあげた10曲を前に、奥田民生は何を思い、何を思い出し、何を考えるのか…
全10公演、全10曲をギュッと凝縮してお届けする濃厚な2時間。

番組紹介ページ、視聴方法はこちらから

次ページでは「奥田民生ひとりカンタビレ」を振り返ります。

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