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| ■インタビュー/文:久保田泰平 掲載日:2008.3.25 |
「いい曲だね」――昨年春、TV-CMからふいに飛び込んできた92年のヒット曲JAYWALK「何も言えなくて…夏」。同曲が収録されたコンピレーションアルバム『R35』は、発売から21週に渡ってアルバム・チャートのトップ10にランクインする大ヒットとなったわけだが、いまだロングセラーを続ける同コンピレーションをきっかけに、JAYWALKが「何も言えなくて…夏」の、アンサーソング「もう一度…」を書き上げた。そこには、音楽から離れがちな〈R35〉世代に〈もう一度〉音楽を楽しんでほしいというメッセージと、あの夏に終わった恋を〈もう一度〉始めようとするあのふたりの物語がしたためられている。ヴォーカル、中村耕一に話を訊いてみた。
--〈R35〉のCMを観て、桜井幸子さんのいまだ健在なチャーミングぶりもさることながら、「何も言えなくて…夏」という曲の〈強さ〉をあらためて感じました。あの曲は、JAYWALKが演奏している曲ということを飛び越えて、楽曲自体に大きな存在感がありますよね。
中村:そうですねえ。「何も言えなくて…夏」は、今となっては僕らの曲であって僕らの曲じゃないんですよね。
--この曲にいろんな想い出を詰め込んでいる人はいっぱいいるでしょうね。
中村:そうだと思います。そう言う話はよく耳にしますし、ありがたいことです。
--新曲「もう一度…」は、〈R35〉のコンピレーションがきっかけになって作った曲だそうですね。中村:そうですね。〈R35〉がなかったらこの曲は生まれてなかったと思います。〈R35〉のセールスがどんどん大きくなり、それによって「何も言えなくて…夏」が、再び注目されたことで、あの時の主人公の二人は、その後どうなったのか・・?というファンの方からの声も増え始めたこともあって、のアンサー・ソングを作ったらどうでしょうっていう話をいただきました。「何も言えなくて…夏」のなかに出てくるふたりは曲のなかで別れてしまうわけですけど、その後のふたりを描くというか、また長い年月を経て、なにかのきっかけで出会って、また恋に落ちるっていう……そこまで具体的なストーリーは最初から出来上がってはいませんでしたけど、いずれにせよ、ふたりがまた出会って、いいかたちでふたたび歩き始めるっていうのはおぼろげに描いてましたね。
--ふたりはまだ独身だったんでしょうか?(笑)。
中村:まあ、いろんなことはあったんでしょうね(笑)。このふたりがきれいなかたちで収まったかどうかはわからないですけど、またロマンティックな関係になったっていうのは願ったり叶ったりというか。そもそも「何も言えなくて…夏」という曲ができたときに、悲しい結末を迎えるラヴソングではあるけども、このふたりは決して暗くはないよね、っていうことを当時メンバーともよく話していたんですよ。最後は離れていくシーンですけど、お互いに未来があるような、そういう終わり方をしようって。ですから、「もう一度…」というアンサー・ソングが出来て、僕らとしても「ああ、よかったな」みたいな(笑)。僕らの曲にはドロドロしたようなラヴソングもありますけど、やっぱりこう、さわやかっていうか、恋をするならいくつになってもこうありたいなっていう願望はありますよね。まあ、難しいでしょうけど(笑)。
--実はこのふたり、離れていたあいだにはドロドロしたこともあったのかも知れないですよね(笑)。
中村:それはまあ、わからないところではありますけど(笑)、そうやってみなさんそれぞれがイメージする画っていうのはありますよね。僕らの曲であって僕らの曲じゃないっていうのはそういうことであって。もっと具体的に描写するとか、ものすごくイメージを崩すことだったりっていうことはできないんですよね。
--詞を書かれた知久(光康)さんも苦労されたでしょうね。中村:だと思いますよ。
--知久さんの経験から得たものを反映させた言葉選びは当然あると思うんですけど、決して個人の詞ではないですよね。
中村:そうなんですよ。そうなんだよなあ。そのへんうまいんですよ(笑)。僕には絶対書けないですから。ものの考え方や見方がものすごくユニークなんですよね。あと、わりとニュートラルな状態に自分を置いておけるので、非常に的確な判断ができる。もちろん、突拍子もないことをやるときもあるんだけど、僕もこうありたいなって思うときはありますね。
--詞もさることながら、「何も言えなくて…夏」のアンサー・ソングということで、楽曲自体にかかるプレッシャーは大きかったんじゃないかと思うんですけど。
中村:そうですね。あの曲と同じぐらいのレベルで聴いてもらえる曲を作らないとっていうのは意識していましたね。あの曲を越える越えないっていう問題ではないんですけど、聴く基準として、リスナーのなかにはどうしてもあの曲があるんですよね。あの曲だって、それまでと同じような曲の作り方というか、とにかくいいアルバムを作ろう、いい曲を書こうっていうことで、メンバーが持ち寄ったなかから最終的に残ったアルバム収録曲のなかの一曲だったんですけど・・。
--レコーディングではかなりモチベーションが上がったんじゃないですか?
中村:いやあ、上がりましたね、実際(笑)。「もう一度…」っていうタイトルとおおまかなストーリーがあって、それに沿って曲を作っていったわけですけど、そういう作り方っていうのは僕らにとって初めてだったし、とにかくこの一曲に絞り込んで、2、3か月のあいだレコーディングをしてましたから。あらかた出来上がったらスタッフに聴いてもらうんですけど、スタッフはリスナーの耳で僕らの曲を判断してくれるので、僕はこう思う、ここはこうしたほうがいい、っていうやりとりを頻繁におこなったり……そこまで詰めて一曲を完成させる作り方も初めてだったし、そういった意味では新鮮でしたね。本来、曲ってこういうふうに作っていくべきなんだろうなあ……って、いまさらですけどね(笑)。--「もう一度…」は、これからの制作活動にも大きな影響を与える曲になりそうですね。
中村:そうですね。「もう一度…」っていう曲が出来上がって、さっき言ったような作り方でいまも曲を作ってます。今日もこれからスタジオに行くんですけどね、いまレコーディングしている曲は、知久が最初に詞を書いてきてから2週間ぐらいは練っているかな。そういうことはいままでありえなかった。まあ、着実に昨日のよりは今日みたいにグレードアップしてるからやりがいがあるし、僕はもともとレコーディングがあまり好きではなかったんですが(笑)、いまはすごく楽しくなってきてますね。
--普段はどんなシチュエーションで音楽を楽しんでいることが多いですか?
中村:クルマのなかで聴くことも多いんですけど、昔からのヘンなクセっていうか、仕事が終わって家に帰って来ると、まずオーディオのスウィッチを付けるんですよね。で、なにげに曲をかけてる。あらたまって聴くっていうわけじゃないんですけど、〈流している〉のが好きなんですね。それでまあ、心地よい音楽というか、自分にとって耳障りではないもの――たとえば、ヴォーカルっていうのが時としてものすごく邪魔に聞こえるときがあるんです。つい、聴いちゃうんですよ。あわよくば自分のスキルに成りうるものっていうのを探っちゃうというのかなあ、〈流している〉感じではなくなっちゃうんですよね。
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大人のバラードは、
やさしく、せつない。 ![]() 『もう一度…』
ワーナーミュージック・ジャパン
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収録曲
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収録曲
“JAYWALK
CONCERT TOUR 2008” 4.28(月)横浜赤レンガ倉庫1号館
4.29(祝)横浜赤レンガ倉庫1号館
5.10(土)京都会館 第2ホール
5.11(日)浜松市福祉交流センター
5.31(土)大宮ソニックシティ
6.06(金)Zepp Sendai
6.08(日)千葉市民会館
6.11(水)高知県立県民文化ホール
6.13(金)広島アステールプラザ中ホール
6.14(土)米原市民交流プラザ(ルッチプラザ)
6.20(金)富山県教育文化会館
6.21(土)愛知県勤労会館
6.28(土)東京国際フォーラム ホールC
6.29(日)東京国際フォーラム ホールC
7.12(土)Zepp Fukuoka
7.13(日)グランキューブ大阪 メインホール
JAYWALK
(ジェイウォーク) 【正】交通規則を無視して歩く事。物事には囚われず自由に生きる事。また紆余曲折、浮き沈み等々を楽しんでしまう事。
⇒語源はJAY、或いはJAYBIRD(カケス)のジグザグに歩くひょうきんな様子から生まれたと言われている。 ⇒1981~20××年 作詞、作曲、演奏家で構成された小編成の音楽家グループ。 オフィシャルページ:
http://www.jaywalk.co.jp/ |
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