MUSICSHELFトップ > 特集・連載 > いしわたり淳治 インタビュー
![]() |
![]() |
|
いしわたり淳治
1977年8月21日生まれ、青森県出身。 1997年にロックバンドSUPERCARのメンバーとしてデビュー。ギターとほぼすべての作詞を担当。初期の叙情的な作風から、バンドの楽曲がエレクトロニックなものとなるにつれ、作詞スタイルも限られた言葉数の中での言葉の持つリズムの使い方、韻の踏み方などいしわたり独自のスタイルを確立する。2005年のバンド解散後は、作詞家、音楽プロデューサーとして活動するかたわら、雑誌等への執筆も行っている。 |
| 掲載日:2007.10.15 ■インタビュー/文:久保田泰平 ■撮影:本多元 ■デザイン:SQIP ■取材協力:EATSandMEETS Cay |
|||||

--そもそもこの『Rock for Baby』の監修に携わったきっかけは?
レーベルのA&Rから話をいだだいた、っていうのが最初なんですよね。童謡もしくは「みんなのうた」的な楽曲を取り上げて、親と子がいっしょに聴けるようなものを作ろうということで。で、そこで改めて童謡のCDとかを聴き漁って。--そこでいろいろと感じたことがあったわけですね。
そうですね。まあ、何百曲も聴いたんですけど、自分が知ってた曲でも、2番、3番と進んでいくにつれてどんどんロックになっていくものだったり、“おおっ、どうなんの!?”っていうような展開をしていくものとか、だんだんさみしい感じになっていくものとか、そういうおもしろい発見もありましたけど、概ね、ツライものが多かったですね。おびただしい数の曲が1枚のCDに入ってるし、音の作りもお手軽というか、着メロ的な感覚というかね。僕ももう30歳になるんですけど、まわりにいる同世代の人たちの多くは子どもがいて、親になってるんだけど、親と子がいっしょに聴ける童謡のCDがないっていう話も聞くし。たしかにね、少年少女合唱団とかが歌ってるのを聴いてると、コワイんですよ。これは子どもが純粋に喜ぶもの“For Baby”ではないなと。
--合唱モノとか、ある程度音楽を理解し始めた年頃にならないと理解できないかも知れないですよね。
そうだと思います。僕なんかが童謡にふれあったのは幼稚園とか小学校とかで、先生が歌ってるのとか、みんなが歌ってるのを聴いて曲に馴染んでたから、基本的にはオケはなくても良かったりするものなんですよね。基本的に、一回聴いちゃえば、あとはオケがない状態で親しんでいくものだと思うんですよ、童謡って。アカペラでも楽しめるのが童謡なのに、それをわざわざCDで聴こうとなると、やけに大袈裟なオーケストラになってたり、高らかに歌い上げていたりして、印象がかなり変わっちゃうんですよね。だから、CDで体験しようにも、どれから手を付けていいのかわからない。だったら、“ロック”っていうサウンドで印象づけて初期体験してもらうのはおもしろいんじゃないかなって思ったんですよね。
--ロックと童謡って相反するもののようだけど、『Rock for Baby』を聴いたかぎり、絶妙な相性をみせてますよね。アーティスト選びは悩みどころだったんじゃないですか?
そこがメインだと言えるぐらい考えましたね。僕と同じ世代でロックを体験してきた人、その中でもこの人にやらせたらおもしろいんじゃないかっていうアーティストとか、僕自身がずっとヒーローとして聴いてきたアーティストにお願いして。カヴァーしてほしい曲もリストアップしようかと思ったんですけど、やっぱ、そこは本人が選んだ曲のほうが絶対おもしろいなと。POLYSICSが「コンピューターおばあちゃん」をやったら絶対にカッコイイだろうなというのはありましたけど、基本的には参加アーティストにおまかせで。
--聴いていて興味深かったのは、SUEMITSU & THE SUEMITH KIDSの「アンパンマンのマーチ」。これって意外とイイ曲なんだなあって感心しました。
おおっ、そこに気づかれましたか!たしかに、歌詞とメロディーがここまでイイっていうのは、新発見ですよね。アレンジひとつで曲の印象をイイ方向に変わるっていう、今回の作品の中でもハイライトだと思います。
--あとは、全体を通して聴ける作品だなって。さっきも言われたように、童謡のCDっておびただしい曲数だったりして、ひとつの作品として成立しているCDが少ないと思うんですけど、これは次にどんな曲が出てくるのかが楽しみで。
そうですね。これがたとえば、「コンピューターおばあちゃん」が、あとでPOLYSICSのアルバムに入る可能性がありますってことだったら、もっと違ったアプローチをしてたかも知れないんですけど、このカヴァーはここでしか披露されないものっていう前提でやっているから、いらないことを考えてないんですよ。すっきりやれるというか、ニーズがハッキリしてるものだから、POLYSICSに限らずすべてのアーティストが奇を衒おうとしていない感じがあるから、全体の流れっていうのがちゃんと出来上がってるんだと思います。
--いしわたりさん自身、いままで子どもを意識して音楽を作ったことはないと思うんですけど、たとえば知り合いの子どもがいしわたりさんの作品を聴いて喜んだとかっていう話を聞いたことはあります? たしかに子どもを意識して作ったことはないですけど、子どもが喜んでたっていう話はたまに聞いたことがありますね。ムーグ山本さん(Buffalo Daughter)のお子さんはスーパーカーのライヴに毎回来てくれていて、「YUMEGIWA LAST BOY」がいちばん好きだって言ってたような気がします。あと、このあいだのチャットモンチーのライヴにちっちゃい子が来てて、「シャングリラ」とかでキャッキャ言いながら跳ねてましたね。
| 1 | 2 | 







