MUSICSHELFトップ > 特集・連載 > メル・シェレン インタビュー

-- ディスコについて改めて考えてみたいんですが。
そもそもディスコという言葉は間違った使われ方をされ過ぎて来たね。ラリー(・レヴァン)がかけていた曲、あの当時かかっていた曲の多くはディスコじゃなかった。ダンサブルなR&Bだったんだ。アイザック・ヘイズ、ルー・ロウルズ…… 彼らの曲はディスコじゃない。ディスコでプレイされていただけだ。私はよく「ゴッドファーザー・オブ・ディスコ」と呼ばれるが、なぜだか分からないんだよ。だって私は1枚もディスコのレコードは出していない。私の(出した)レコードはみんなR&Bなんだ。ダンサブルなR&B。
-- では、あなたの考えでは、「ディスコ」とは場所を指す言葉ですか?
そう。人々が集まって、一緒に踊る場所のことだ。そこでかかる音楽は変化してきた。まずR&Bに始まり、それがハウスになっていった。よくハウスの定義は何かと聴かれるが、「低予算のガラージ1音楽」さ。ハウスを冒涜するようなつもりは全くないぞ。ガラージは、フィラデルフィア・サウンドが中心だった。バリー・ホワイトやサルソウル・オーケストラ……ミュージシャンはフィラデルフィアのオーケストラのメンバーだったんだ。白髪まじりの年配の人たちがスタジオに集まってレコーディングしたものだったんだよ。それを聴いたシカゴのキッズたちが自分でも曲を作りたいと思ったとき、ちょうどコンピューターが入ってきた。スタジオにミュージシャンを集めるカネはないから、彼らは自宅のコンピューターで作り始めた。その過程で要素が削ぎ落とされ、さらにファンキーになっていった。<ウエアハウス>のフランキー・ナックルズ2などだな。それが私の(ハウスの)定義だ。そしてヒップホップはバギーパンツを履いたR&B(笑)。彼らはR&B音楽を聴いて育って、それをサンプリングしたのだから。1 ガラージとは<パラダイス・ガラージ>の略。ここでラリー・レヴァンがプレイしていた代表的な曲は、総じて「ガラージ音楽」と呼ばれている。
2 シカゴで活躍した、ハウスのオリジネーターと称されるDJ。もともとはNY出身で、十代からラリー・レヴァンの親友だった。尚、「ハウス」という名称はこのフランキー・ナックルズが当時プレイしていたクラブ、<ウエアハウス>を由来としていると言われている。






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