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the players' worlds プロの世界「Vol.3」 藤井裕「楽しき“山あり谷あり”プレイヤーライフ」
■インタビュー/文:久保田泰平  ■撮影:本多元  ■会場:風地空地  ■デザイン:SQIP Inc
掲載日:2007.6.27
 
 上田正樹とサウストゥサウスのメンバーとしてプロのキャリアをスタート。以降、石田長生、正木五郎とのVOICE & RHYTHM、金子マリとのMAMA、忌野清志郎のLittle Screaming Revueやラフィータフィー、町田康らとのミラクルヤングなど、あらゆるセッションで骨太いベース・プレイを聴かせてきた藤井裕。そんな彼が、キャリア30年以上にして初のソロ・アルバムを完成。彼の“Players' World”を伺うべく、リリース日前夜のライヴにお邪魔して、公開インタビューを敢行してきました!
藤井裕
--藤井さんがベースを弾くようになったきっかけは?
 ベースを弾くようになる前はね、兄貴に教わりながらフォーク・ギターを弾いたりしててね、で、あるとき……僕が不良だった頃(笑)、そのときの仲間がみんな音楽が好きで、当時はGS(グループサウンズ)ブームだったんだけど、GSじゃないもの、ソウルとかリズム&ブルースとか、そういうバンドをしたいなあっていう連中でね。そこで「裕、おまえベースやれ」っていきなり言われたんですよ。「なんでオレがベースやねん?」って訊いたら、ゴールデン・カップスのルイズルイス加部に顔が似てるからって言われてね(笑)。で、当時TVでやっていた「R&B天国」っていう番組でゴールデン・カップス観たら、「うわっ、かっこええなあ、この人」と思って、それで「ベースやるわ」って(笑)。ものすごく単純な理由で。
藤井裕--では、憧れていたベーシストはずっと加部さんで?
 昔ね、歌番組にゴールデン・カップスが出たときにね、演奏が当て振りだったんですよ。そしたらマーちゃん(ルイズルイス加部)はね、当て振りっていうのがあからさまにわかるようにね、ベースを裏っ返しにして弾いてたんですよ。それ観てむちゃくちゃかっこええわ!って思って、どんどんハマっていきましたね。この人はもうすでにパンクの筋があったわけですよね(笑)。
--始めた頃はどんな感じで練習してたんですか?
 当時、ホンマ田舎に住んでてね、田んぼばっかりのなかに一軒だけ建ってる掘っ立て小屋みたいなところがあって、そこでいつも練習してたんですよ。で、地元の先輩にキングスっていう結構有名なバンドがいてね、GSの人らで。そこのサイド・ギターの人がバンドを辞めてから牛乳屋さんに務めていたんですけど、僕らの練習場のそばに、先輩が務めていた牛乳屋さんがあって、ある日、その先輩が僕らの演奏を聴きに来たんですわ。そしたらね、僕がベース弾いてる姿見て、「自分、小指使えんねんな」って言ったわけですよ。小指って結構慣れた人じゃないと使えないものらしいんですけど、ベース始めて間もない頃の僕は、普通に小指使ってたんですよ。それで驚かれましてね。で、その先輩からブルース・コードっていうのを教わったりしてね、こんなおもろい展開があるんだって思いましたね。ホンマ、環境には恵まれてましたね。
--プロでやっていけそうだと思った時期はいつでした?
 そんな時期はぜんぜんなかったですよ(笑)。いまでもないなあ(笑)。やっぱ人生山あり谷ありですから。これでいいって安心することはないですよ。一生ね、山あり谷ありがあるっていうのが人生だと思い込んで、弾いてるほうが楽しいですよ(笑)。
--プレイヤーとしてのこだわりなどあったりしますか?
藤井裕 こだわり……どういう?(笑)急に言われても出てこんなあ(笑)。とにかく、ベースにはしょっちゅう触れてましたね。今も触れてますけど、当時……サウス・トゥ・サウスっていうバンドをやってた頃はね、一日10時間ぐらいベース触ってても平気でしたからね。ベース触ってるかパチンコ行ってるかっていう生活を送ってましたね(笑)。
--藤井さんが愛用しているベースは5弦ベースですけど、4弦ではなく5弦を選んだ理由はどんなことだったんですか?
 これがものすごく単純な理由でね、4弦をおもいっきりひっぱたきたかったからなんですよ。4弦ベースだと、親指を引っかけるところがないでしょ。1弦ひっぱたくときは2弦があるからできるわけですけど、4弦ひっぱたくときに4弦ベースだとね、なんか「アレ?」って感じになるんですよ。それで、5弦ベースっていうのがあるって知って、これだったら4弦がおもいっきりひっぱたけるなって(笑)。5弦ベースって、ホントはもっと違う使い方をするんでしょうけどね(笑)。
--そんな藤井さんが、ベースをギターに持ち替えて、初めてのソロ・アルバムを発表されたわけですけど、そもそもソロ・アルバムを作ろうと思ったきっかけは?
藤井裕 きっかけはね、自分の音楽ってどんな音楽なんかな?って思ってね。僕が長く付き合っている連中――石田長生とか有山じゅんじとかね、彼らは何枚もアルバム作ってるでしょ。だから、彼らの音楽はよくわかるわけですよ。でも、僕の音楽ってなると、たぶん、石田長生も有山じゅんじもよくわかってないと思うんですよ。まあ、本人もわかってないわけですから(笑)。じゃあ、一度作ってみたらおもしろいんじゃないかなあって思ってね。最初はね、アルバムを作ろうとは思っていなかったんですよ。(忌野)清志郎といっしょに曲を作り始めて、何曲か作ったところで、これはアルバムになるなあと思い始めたんですよね。ホンマ最初はね、1、2曲作ってテープに録って、ライヴの時に売ったら20枚ぐらいは売れるかなあ、そのお金で競馬して儲けようかなあぐらいな気持ちで(笑)。
--アルバムを聴かせていただいて、すごく純粋に音楽と向き合ってるなあって感じがしました。
 もともと僕は幼稚な人間なんで、自分でもそう思います(笑)。興奮症やし。なんかハマるとどんどん興奮していくっていう。わかりやすいタイプなんですよね(笑)。
藤井裕
ライブ後半には金子マリさんが飛び入り参加
 
藤井裕's PLAYLIST: 藤井裕の思ひ出
プレイリストの詳しいレビューとCDや楽曲購入
藤井裕 リリース情報
フジーユー / 藤井裕
『フジーユー』
2007年6月8日発売!!

JIYU-001
定価 ¥2,500(税込)
発売元:JIYU-RECORDS
販売元:HRG(株)原楽器
HMVで試聴・購入

収録曲
01. 笑顔
02. Be Alright くちゃくちゃ
03. 君を描く
04. 眠れない
05. フジーユー
06. 引きこもり
07. リミッター
08. ウロコ
09. ホームレス
10. 心の中のカード
11. フジマサ(ソウルフード)

プロデューサー
忌野清志郎

参加ミュージシャン
char、石田長生、有山じゅんじ、トータス松本、Leyona、厚見玲衣、渡辺隆夫、正木五郎、林トン敏明
藤井裕 ライブ情報
~藤井裕 初のソロアルバム
“フジーユー”発売記念ライブ~


7/18(水)下北沢440
出演:藤井裕(Vo/B/G) ゲスト有り
開場18:30/開演19:30
前売り¥3,000/当日¥3,500(2order別)
(問)03-3422-9440[4PM~] (440)
http://www.club251.co.jp/440/

7/28(土)ミナミ日宝三ッ寺会館「えん」
出演:フジーユー with スーパーフライキング
開場18:00/開演19:00
チャージ¥3,500(1ドリンク付き)
(問)06-6211-1507

7/29(日)ミナミ東心斎橋ベストプラザ4F
うさぎ屋山本
出演:フジーユー with スーパーフライキング
開場18:00/開演19:00
チャージ¥3,000(1ドリンク付き)
(問)06-6245-3630

8/1(水)京都磔磔
出演:藤井裕、有山じゅんじ
開場18:00/開演19:00
チャージ¥3,500
(問)075-351-1321

8/2(木)ピエロ
出演:藤井裕、有山じゅんじ、
スーパーフライキング
開場18:00/開演19:00
チャージ¥3,500
(問)06-6661-7538

8/3(金)シュガーベイブ
出演:藤井裕、有山じゅんじ
開場19:30
前売¥3,500/当日¥3,800(1ドリンク付き)
(問)0729-95-1200

8/4(土)JBL
出演:藤井裕、有山じゅんじ、
永井仏、ローローズ
開場18:00/開演19:00
チャージ前売¥4,500/当日¥5,000 (1D)
(問)06-6464-2060

8/5(日)ジェームス
出演:藤井裕、有山じゅんじ、
永井仏、ローローズ
開場18:00/開演19:00
チャージ¥4,500(1ドリンク付き)
(問)078-371-2720

8/6(月)難波元町ODEN
出演:フジーユー with スーパーフライキング
開場18:00/開演19:00
チャージ¥3,500(1ドリンク付き)
(問)078-6641-7700
藤井裕 プロフィール
藤井裕
藤井 裕 FUJII YU
ベーシスト、作詞、作曲、編曲、プロデュース。1952年2月9日 広島生まれ大阪育ち。1973年、上田正樹とサウストゥサウスを結成。サウス解散後もしばらくは大阪を拠点に音楽活動を続け、石田長生、正木五郎らとVOICE & RHYTHMを結成。このバンドの解散後'86年に上京。坂田明、石田長生などのバンドに参加後、金子マリとMAMAを結成。MAMA脱退後、忌野清志郎のリトルスクリーミングレビューに参加。並行して有山じゅんじ、ロジャーとTE-CHILI(テッチリ)を結成。96年11月、加川良をボーカルに迎え、アルバム『R.O.C.K/加川良 with TE-CHILI』を発表。98年忌野清志郎とのラフィタフィに参加。2002年、下北沢で藤井裕と正木五郎のベース&ドラムのユニットFUJIMASAを結成。下北沢にてゲストを入れて定期的にライブを行う。2001年にはボーカルの町田康、ドラムのロジャー高橋とミラクルヤングを結成。2003年5月28日に1stミニアルバムを発売する。2004年ミラクルヤングを脱退後はFUJIMASAで精力的に活動する。昨年12月にFUJIMASA with スマイリー原島、ウルフルケイスケ、伊藤ミキオのユニットで2004年5月5日に大阪春一番ライブ及び京都磔磔が決定。3月19日には大阪豊能町ユーベルホールにてFUJIMASA with 忌野清志郎で大盛況に終わる。今年はFUJIMASA及びいろいろなセッションでベーシスト及びソロ活動で精力的に活動する。

オフィシャルサイト
http://www.ne.jp/asahi/mappy/
morochan/yu/fujiiyu.html